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このサイトに登場する人形はすべて(株)ボークス・造形村生まれのSD(スーパー・ドルフィー)です。



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人間のように喋る人形(2)

 色鮮やかな緑の道の先にある玄関には、簡単なアラベスク模様が施された白い扉、古めかしいいぶし銀のドアノブ。ただ、鍵穴が何処にも見当たりません。
 でも、旅人が驚いたのはそんな事ではありません。その玄関を有する建物が、さっき見た小さな家ーというより邸ーというより低予算で造られた城ーと色も形も同じだったからです。
「確かにさっき見た城と同じだ。だが、なぜこんなに大きいのだ? さっきはこれくらい・・・」
 旅人は手の平を下に向けた右手を、自分の頭上から真っ直ぐ前に突き出しました。
「・・・の高さだったのに」
 今は、ちょっと背伸びをして、あごを40度くらい上げなければ尖った青い屋根のてっぺんが見えません。
「村に入った途端、気分が悪くなって、しゃがみ込んでいたのは1分半くらいだった。その間にモコモコモコと大きくなったのか・・・? いや、そんな魔法みたいな事があるはずがない。では、私が小さくなったのか? いや、それこそあり得ない話だ」
 旅人は後ろを振り返りました。緑の道が、薄紫の霧の中に溶けるように消えています。
「あそこから入って・・・そういえば、細すぎてわからなかったが、この道はこんな風だった気がする。小さすぎてわからなかったが、パセリもちょりちょり生えていた気がする。間違いない、この光景だった」
 旅人の頭の中は、疑問のかたまりでいっぱいになりました。
「そうか、あの時わたしはどっさり疲れていたから実際より小さく見えたんだ。・・・いや、蜃気楼・・・そうだ、霧の中の蜃気楼・・・よく聞く話だ」
 玄関が開く気配がし、旅人はまだすっきり消えていない疑問のかたまりがごろごろする頭を、そちらに向けました。
 白い玄関の前に黒ずくめの少年が立っていました。仕立ての良さそうな黒いスーツ、フリルのついた黒いシャツ、櫛通りの良さそうなブラウンの髪、グリーンの瞳、育ちの良さそうな鼻筋と口元。身長は170㎝くらいですが、あどけなさが残っているふっくらした頬から、旅人は14~5歳くらいだと判断したのですが、もしかしたら18歳かも知れないし、24歳かも知れません。でも今の旅人にとってそれは、隣のケンチン家の窓にかかっているカーテンが全部ピンクとグリーンのチェック柄だ、という事と同じくらいどうでもいい事でした。
 旅人は両手と両足をきれいに揃え、
「こんにちわっ」
ときれいな発音で挨拶しました。少年はそれには答えず、袖口から指先だけのぞかせた右手でドアノブを握ったまま
「どうぞ」
と軽く会釈しました。

黒いスーツの少年

 疑問のかたまりがまた一つ増えました。
「知らない人が訪ねてきたら、まず名前を訊いてそれから用件を訊くのが普通だろう。親にそう言われてないのか? こうすんなり受け入れられると却って気味が悪い」
 旅人はちょっとためらいましたが、でも大変な思いをしてこの村までたどり着いて、ここで迷っているのも馬鹿馬鹿しい気がしました。
「よしっ!」
 両手のこぶしに気合いを入れ、歩き出そうとして足元を見た旅人は突然
「へえっ!」
と、「え」の部分だけ裏返ったような奇妙な叫び声をあげました。
 泥だらけだったスニーカーが、水で洗われたように綺麗になっているのです。多少くたびれてはいますが、メーカーのロゴもはっきりと読み取れます。3番目の森で突然出現したへこみに気付かず、転んだ拍子に尖った枝に引っかかって出来たジーンズの右膝の破れも、シャツや顔の汚れや傷も、すっかり消えています。
「いつからこうだったのだ? あ、しゃがみ込んでいたあの時か? あの1分半の間に、誰かがわたしの服をはぎ取って洗って乾かしてまた着せてくれたのか? 誰かがすぐ治る傷薬を持って来て無数にある傷口に塗ってくれたのか?」
 疑問のかたまりが増えてパンクしそうになっている頭を両手で抱えて、旅人は「あ」とも「お」とも判別出来ないような声で呻きだしました。
「うぁうぁうぁ・・・」
 少年はさっきと同じポーズで、無表情でこちらを見ています。
「あの少年なら何か知っているはず。きっとすべての疑問に答えてくれるはず」
 旅人は足早に城に向かって歩き出しました。

                                    「人間のように喋る人形(3)」につづく





人間のように喋る人形(3)

 すすめられた椅子に腰掛け、旅人は頭の中を整理していました。
 少年は、繊細な草花模様が描かれたティーポットから、琥珀色の液体を同じ模様のカップに注ぎ終わると、旅人の目の前に差し出しました。
「アップル・ミント・ティーです」
 ティーカップがソーサーからわずかにはなれて戻った「カチャ」と、ソーサーが木目模様のテーブルをたたいた「コト」が重なり合った音が、静かな室内にひびき、少年の白いややふっくらした指がカップから離れました。
 その音が合図でもあるかのように、旅人は口を開きました。
「わたしはナトゥ・ミソジュールといいます。ずっとずっと、ずぅーっと西の方から来ました」
 アップル・ミントの香りが、あせりと不安でこわばっていたナトゥの両肩にやさしく手を置いて、落ち着きを取り戻させたようです。ナトゥの表情は、町役場で住民の苦情に真剣に耳を傾ける「真面目で信頼できる職員」の顔になっていました。
「地元の町役場で12年間働いていました。苦情係をしていた時に、住民から苦情や面白い話、不思議な話をたくさん聞きました。でもこんな話は聞いた事がありません」
 ナトゥは、この村に足を踏み入れてからの事を話しました。「朝起きたばかりでまだはっきり目が覚めていないおじさん」とか「空想小説の好きな頭のいかれたおじさん」と思われないように、両眼に「真実!」の火を灯し、オーバーにならない身振り手振りを加え、誠実さを込めて話しました。 
ナトゥの正面の椅子に座り、シャン!と背筋を伸ばし、テーブルの上でスワッ!と両手を組み、相変わらず無表情で話を聞いていた少年は、ナトゥが話し終え、「ふうーっ」と長いため息をついた後に口を閉じるのを確認すると、静かに答えました。
「それは、ここがあなた方の住む空間とは違う空間だからです」
「違う空間・・・?!」
 少年があんまりあっさりはっきり答えるので、ナトゥはちょっと気が抜けました。信じてもらうために、ありったけの知識と経験を結集して話した自分が馬鹿みたいに思えました。でも今やそんな事は、となりのケンチン家の息子が自分の部屋のカーテンをグレーのチェック柄に替えたら母親にこっぴどくしかられた、と同じくらいどうでもいい事になっていました。
「違う空間」という言葉が、いつの間にかナトゥの心の一番奥の部屋にしまわれていた小箱の蓋をポカリと開けたのです。箱の中に閉じこめられていた、SF小説を夢中で読んでいた少年の頃のわくわくした気持ち、主人公と一緒に不思議な空間を旅し、いくつかの試練を乗り越え、目的を達成した時の感動、夢やときめきやあこがれなんかが一気に飛び出し、ナトゥの全身を花吹雪のように駆けめぐりました。

開いた小箱


「違う空間・・・て、まさか四次元空間?」
 ナトゥは黒い瞳を輝かせながら訊きました。
「いいえ。ここが四次元なら、あなたは今、人間の身体を保っている事は出来ません」
 そんな事ぐらい、ナトゥにもわかっていました。「三次元生物は四次元世界ではこうなる」想像画を、何かの本で見た事があるから。それは無数の球体がぐちゃぐちゃにくっついた物体で、しかもその形は絶えず変化している、という絵でした。
 ナトゥはただ何となく「四次元」という言葉を言ってみたかっただけなのでした。
 少年はさらに続けました。
「ここもあなた方の世界と同じ三次元世界です。縦、横、高さに時間を加えて四次元とするのが一般的ですが、三次元世界にも一方方向ですが時間は存在します。だからこの世界も四次元である、という説がありますが、とりあえず三次元という事にしておきます。お茶、いかがですか?」
「あ、いえ、もう・・・」
 ナトゥは右手を少し上げ、丁寧に断りました。アップルミント・ティーがまずいからというわけではなく、どちらかというと好みの味でしたが、今はとにかく話の続きを早く聞きたかったのです。
 少年は申し出を断られて嫌な顔をするでもなく、逆に席を立ってティーポットからお茶をそそぐ仕事をしなくてすんでほっとしている、という風でもなく、何事もなかったように話を続けました。
「ただ、ここでは作者の意志が現実化するのです」
「え? 作者・・・?」
「はい、この巴世里村を作られた方です」
「この村を作った・・」
 ナトゥは頭の右端に手をやり、ややカールした黒髪をくしゃくしゃっと掻きました。「作者」という言葉が、強風に吹き飛ばされまいと頑張っている洗濯物のように頭の右端に引っかかってしまったのです。「作者」というのは普通絵画や小説などの「作品」に使われる言葉じゃないのか?「村の作者」という言い方は変だろう。どうも気になる。だが、ここは取りあえず話を進めよう。
「この村を作った・・・のは、それはきみのお父さん? いや、おじいさんとか?」
「いいえ、僕には父も祖父もいません。この村を作ったのは人間です」
「人間?」
 ナトゥは両手で黒髪をくしゃくしゃくしゃと掻き回しました。さっきの洗濯物が、物干し竿を軸にくるくると回転しているような感じがしました。そんな答えを聞きたかったのじゃない。ナトゥはどう質問したら良いものかと、考えていました。 
「はい、人間です。ただ、その方には普通の人間にはない不思議な力があるのです。あなたのサイズに合わせてこの村を大きくしました。あなたの衣服や身体があまりに汚れていたのできれいにしました」
 洗濯物の回転は止まりました。なるほどそういう事か、そういう事ならこの村に入ってからの不思議な出来事もすべてつじつまが合う。最初に見たあの小さな城も幻覚でも蜃気楼でもなく、現実だったんだ。・・・いや、ちょっと待てよ、そんなすごい力を持った人間が本当にいるのか?「超能力」についてはわたしも少しは知っている。スプーンを曲げたり、手を使わず物を動かしたり、その程度の力ならもしかしたら人間にもあるかも知れない、とちょっとは信じている。でもこれは・・・村一つ何とか出来るほどの、そんなすごい超能力を持った人間がいるのか?
「それはつまり『超能力』ですか? でも、そんなにすごい力を持った人間が本当にいるのですか?」
「いいえ、そんなすごい人間はいません」
「は?」

                                      「人間のように喋る人形(4)」に続く






夕暮れの風が

     夕暮れの風が想い出を運んで来ます夕暮れの風が想い出を運んで来ます
                                     モデル:翔 詩:巴世里人





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歌詞集1

歌詞募集に応募した詩です。もちろんボツになりました。
どなたか曲を付けて下さらないかしら? なんちゃって。

「僕の朝ごはんまだ?」
1.
新聞をくわえたままのポスト
カーテンの隙間から
遠慮がちに差し込む光
わめかない目覚まし時計

でも 僕の朝ごはんまだ?

今日は羽根のついたへんてこネズミと
遊びっこする約束だよね

でも 僕の朝ごはんまだ?

肉球を
そっと寝顔に押し当てる

2.
シーツじわを頬につけたままで
古いラジオの
チューニングを始めるあなた
「米軍基地はもういらないよ」

でも 僕の朝ごはんまだ?

今日はベランダのプチ菜園で
虫取りごっこする約束だよね

でも 僕の朝ごはんまだ?

欲しいのは
あなたの笑顔と満腹感

゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

 「夢さわさわ」

1.さわさわ春の雨上がり きらきら揺れる水たまり
  ゆらゆら泳ぐ花びらは 踊り疲れて夢の中
  さわさわ春の雨上がり 緑の風は子守唄

2.じりじり夏の昼下がり じーじー蝉の大合唱
  森の吐息はサキソフォン 草の寝息はバイオリン
  じりじり夏の昼下がり 幾夜夢見た青い空

3.しんしん更ける秋の夜 つんつん揺れる枯れすすき
  凛と伸ばしたその指に 月の雫を受けとめる
  しんしん更ける秋の夜 夢をつむいだ銀の花

4.しらじら明ける冬の朝 枯れ木に眠る白い花
  光の波に叩かれて 想い届かぬ夢の果て
  しらじら明ける冬の朝 ポツポツポッツン雪涙

甥が12歳の時に作曲した曲に付けた歌詞です。
歌ってみたら部分的にアクセントが変。どなたかちゃんとした曲をつけて下さらないかしら?

゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

 「小学校と聞いて」

1.「小学校」と聞いて 思い出すのは給食
  いつもはぱさぱさコッペパン 時々こんがり揚げパン
  いっつも忙しい 大人達は
  子供の笑顔を見たいんだ 見たいんだ

2.「小学校」と聞いて 思い出すのはコロッケ
  道草してはいけません 買い食いしてはいけません
  いっつも忙しい 大人達は
  毎日小遣いくれた 10円くれた

3.「小学校」と聞いて 思い出すのはあぜ道
  スミレたんぽぽほとけのざ つゆ草オニユリ彼岸花
  いっつも忙しい 大人達は
  花の名前を知っている たくさん知っている

戦後、小学校の給食に出されるコッペパンはぱさぱさして美味しくない、それを知ったある小学校の給食のおばさんが揚げパンを考案して出してみたら好評だった、という話を聞いて作詞しました。
コロッケが1個10円、ハムカツが5円の時代でした。あったかくて美味しかったなぁ。



theme : 詩・ポエム
genre : 小説・文学

プロフィール

巴世里人

Author:巴世里人
自称イラストレーターですが、時々人形服をヤフオクに出品しています。過去に出品した作品の中から、ポエム付きのものだけ載せてみました。
「人間のように喋る人形」は人形がテーマの自作小説です。難しい言葉は使ってませんので小さなお子さんにも絵本感覚で読んでいただけると思います。

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